前回の記事で、
実家が水害に遭ったとき
「もっとお金があったら」
「もっと力があったら」
と、ものすごく悔しくなったことを書きました。
大切な人が困ったとき、
「大丈夫。私がなんとかするよ」
そう言えるくらいの力を持っていたかった。
でも、
「どうして私は、こんなにも
大切な人を守りたいと思うんだろう?」
ノートに書きながら
その気持ちをさらに深く辿っていくと
ある人が浮かびました。
それは、大好きだったおばあちゃんでした。
何もしてあげられなかった
私がまだ小学生だった頃。
おばあちゃんは高齢で身体が弱く、
ほとんど毎日、布団の中で過ごしていた。
当時の私はまだ小さかったから
できることなんてほとんどなかった。
だから大人になった今
時々、おばあちゃんのことを思い出す。
今だったら車椅子に乗せて
外へ連れて行ってあげられたのに。
綺麗な景色を見せてあげたり、
一緒にお散歩したり、
身の回りのお世話だってできたのに。
もっと色々なことをしてあげられたのに。
そう思うと、胸がぎゅっとなる。
「何もしてあげられなかった」

当時、幼い私には
どうすることもできなかったことなのに
その悔しさが、ずっと心のどこかに残っていた。
「守れる人」になりたかった
そして思い返してみると、
同じような感情を抱いたことが
これまでにもあった。
大切な人が経済的に苦しいとき。
家族に何かあったとき。
「私にもっと力があったら」
「もっと稼いでいたら」
「私が解決してあげられたら」
そう思う自分がいた。
今回の水害でも同じだった。
家が壊れて
家具や家電がダメになって
車まで被害を受けて。
その現実を目の前にして
また私は、
「私がなんとかしてあげたい」
と思った。

そこでようやく気づいた。
私が経済力を求めてきた理由のひとつに
単に贅沢をしたいとか
好きなものを買いたいとか
自由になりたいということだけではなく
「大切な人に何かあったとき、守れる自分でいたい」
という願いがあったことに。
「守る」って何だろう?
ここまで書いたところで、
私はもう一つ自分に質問した。
「じゃあ、“守る”って何?」
お金を出すこと?
自分が代わりに問題を解決すること?
困っている人のところへ真っ先に駆けつけること?
全部自分が背負うこと?
もちろん、
どれも愛から生まれる行動だと思う。
でも今回の私は、
手術をしたばかりだった。
本当なら身体を休めなければならないときに
実家へ行き
泥水を片付け
重い家具を動かし
全身が筋肉痛になるくらい
必死になって動いていた。
大切な家族が困っている。
そんな状況で、自分だけのんびり休んでいられない。
そう思っていた。
でも、全身筋肉痛で
疲労困憊状態になって思った。
もし、私の身体まで壊れたら?
それは本当に
家族を「守った」ことになるのだろうか。
「私がなんとかしなきゃ」を手放してみる
誰かを助ける方法は、
自分が全部背負うことだけじゃない。
人に頼る。
行政や支援制度を調べる。
ボランティアの力を借りる。
できる人に、できることをお願いする。
そして、
自分にできないことは、できないと認める。
それもまた、
問題を解決する方法なのかもしれない。
私はこれまで、
「自分で解決できる人=強い人」だと思っていた。

でも、本当の強さは
全部一人で抱えることではなく
必要なときに人の力を借りながら
最善の手段を選べること
なのだと思った。
「守る人」の中に、私も入れていい
そして、
今回一番大きかった気づきがある。
私はずっと、
「大切な人を守れる自分になりたい」
と思っていた。
家族
夫
大切な人たち
でも、
その「大切な人」の中に、
なぜか自分自身が入っていなかったのだ。
誰かが困っていたら、
自分のお金を使ってでも。
自分の時間を使ってでも。
多少無理をしてでも。
助けてあげたい。
それが愛だと思っていた。
でも、
私も、大切な人の一人なんだ。
家族を大切にするように、自分の身体も守る。
大切な人の人生を尊重するように
自分の人生も尊重する。
誰かのために
自分を全部差し出さなくていい。
おばあちゃんに何もしてあげられなかった
小学生の私は
何も悪くなかった。
あの頃の私にできることには
限界があった。
そして今の私にも、
できることと、できないことがある。
大切なのは、
すべてを背負える人になることではなく
愛する人も、自分も、
どちらも大切にできる方法を探すこと。
ここまで考えたとき
また新しい問いが浮かんだ。
もし、
「自分を犠牲にせずに」
誰かを愛し、守ることができるなら?
じつは、海外旅行に行く予定があったが
キャンセルして
旅行資金を全て援助に回そうと思っていた。
だけど・・
自分の人生を楽しむことは、
大切な人に対して
申し訳ないことなのだろうか?
むしろ——
自分が幸せでいることも
誰かへの愛なのかもしれない。

次回のテーマはこちら▼
Vol.3|あなたも大切。わたしも大切。

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